Sorekami

それは紙、ときに刃物でたまに石。心を動かされた本のこと、忘れたくない言葉のこと、少しずつ話します。

2月14日

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意味のないことがしたくて二月には会えない人に買うチョコレート

(嶋田さくらこ『やさしいぴあの』より)



嶋田さくらこの歌集『やさしいぴあの』を読みました。

第一章には、掲出歌を含めた恋の歌が収められています。

今すぐ会えない人のために、チョコレートを選ぶ。

会いたいのに会えなくて寂しいのだけれど、意味のないことがしたいのだと軽やかに言う。

せつない歌も優しい歌も、どれもあたたかくて澄んでいて、何度も読み返したい一冊です。(敬称略)



冒頭の写真は、私が好きな恋の本です。

左から、

嶋田さくらこ『やさしいぴあの』書肆侃侃房

西加奈子『白いしるし』新潮文庫

田辺聖子ジョゼと虎と魚たち』角川文庫


なぜ、この3冊を選んだのかというと、出てくる女性がとても魅力的だからです。物語に入り込んで、自分も主人公といっしょに相手の男性を好きになるというよりも、恋をしている主人公の、まさにその瞬間の感情のリアルさがおもしろいと思うのです。


歌集『やさしいぴあの』に登場する女性は、この歌集の題名から想像されるように、やさしくてあたたかい。きっと、女性から見ても可愛い人だろうなと思わせられます。

一方、『ジョゼと虎と魚たち』の主人公ジョゼは強気な性格。だけど、どこか寂しくて、やっぱり可愛いのです。


三者三様の恋愛模様、少し味見してみませんか?


私自身は恋愛とほど遠い生活を送っていますが、バレンタインデーなので。

らしからぬことをしました。


本の内容や魅力を誰かに説明するのが、とても苦手なので

これから、少しずつ練習をしていこうと思います。



それでは、また。

これから、おいしいおやつを買いにいってきます!